写・憲法やってみた

日本国憲法と自民党改定草案を写してみました。違うところも一つずつ見てみました。

2016-06-07から1日間の記事一覧

章立て

現行憲法の章立てと、自民党の草案の章立てを並べてみます。 どこがどう変わったか、色をつけてみると…… 大きな変更点は、2章と9章。「安全保障」と「緊急事態」というのが入りました。小さな変更では「○条の2」みたいなのができてるんですね。補則をのぞ…

前文:国のこころざし?

前文て、この国のこころざしを示したものなのでしょうかしら。そんな印象です。 まずは現行憲法の前文から。 …………崇高すぎる。 世の中はより美しくなるはずだ、いやボクがしてみせる!と理想に燃える「旧制帝国大学新卒24歳」のイメージです。 日本国民であ…

第1条:「象徴」がわからない

日本は国民主権。でも、憲法は「天皇」から始まります。私は普通の平凡な日本人として、なんとなーくそこはかとなーく天皇陛下をお慕いしています。それはたぶん、母からくりかえし「(昭和)天皇陛下はね、戦争に負けた後、自分はどうなってもいいから国民…

第2条:お世継ぎの話

2条は天皇のお世継ぎについて。 空気のように、そんなもんかなーと思っていた「世襲」もきちんと明文化してありました。この条文を実現するための「皇室典範」を見てみると……… 第1章「皇位継承」 第1条「皇位は、皇統に属する男系の男子が、これを継承す…

第3条:天皇は公人すぎる

「私人」割合の高い私には、「公人」生活の長所と短所がよくわかりません。仕事と生活は地続きだし、オンもオフもないし。 なので議員も公務員も会社員も大変ですよねと思いますのですが、「公人」割合がMAXなのが天皇陛下なのだなあ、としみじみしてしまい…

草案:第3条:国旗と国歌を入れるのはここ?

現行憲法の3条を6条4項に移動させて、草案で新しく3条として新設されたのがこれです。 「天皇」関係ないじゃん。 第1章は「天皇」について規定するための章なのに、なんでこれをここに入れちゃったのだろう。 第1章に入れるなら、章のタイトルを変えた…

第4条:天皇は権威づけをする?

法律しろうととして思いましたのは、天皇とは権威づけをするための存在と、この条文は言っているのかな、ということでした。 こんなふう。 1項めの「国事」は、6条と7条で詳しく規定されています。 2項め「法律の定めるところにより」の法律とは、「国事…

草案:第4条:元号を変える時

そういえば、年表を見ると江戸時代までは元号がやたらに変わっているのですが、ここ近年(?)は「明治時代は明治天皇」「大正時代は大正天皇」「昭和時代は昭和天皇」と、天皇おひとりに元号は一つなのでした。「一世一元の制」といって元号法(超シンプル…

第5条:摂政について

摂政。 歴史的な言葉かと思っていましたが、現役でした。昭和天皇が大正天皇の摂政におなりになったのは二十歳の時だそうです。 二十歳! 皇室典範では3章で「摂政」について定めています。 前条第1項の規定とは、「天皇は、この憲法の定める国事に関する…

草案:第5条:「天皇の権能」を際立たせる

第1章は、結構入れ替えが激しいですね。草案の第5条はこちらです。 現行憲法の第4条の1項を第5条にしたのでした。 上の一文です。 変更箇所はこんなふう。 「のみ」が削られているのには、どういう意図があるのでしょう。Q&Aには説明がありませんけ…

第6条:天皇のお仕事1

天皇陛下の「国事行為」について規定した6条です。 総理大臣は国会で指名する。最高裁判所の裁判長は内閣が指名する。で、天皇陛下はそれを「任命する」。 これもやっぱり、権威づけなのでしょうね。立法・行政・司法のうちの、行政府と司法府の長は、天皇…

草案:第6条2項:天皇のお仕事2

草案では、天皇の国事行為は6条に全部まとめました。 6条2項はこんなふう。 細かく決まっています。さて、これは、現行憲法では第7条でした。こちらです。 どこが変わっているかというと…… あ、草案の6条1項で新しく挿入された「国民のために」が、こ…

草案:第6条3項:天皇がお仕事をできないとき(短期)

天皇の国事行為についてまとめた、草案6条の3項目。 これは現行憲法では第4条の2項でした。 下の方です。 それをこうした、と。 前2項とは、6条1項と2項のことですね。より具体的に指し示しました。

草案:第6条4項:天皇と内閣の関係

天皇の国事行為をまとめた6条の4項です。 こんなふう。 現行憲法では第3条でした。 変更箇所はこんなふう。 「助言と承認」を「進言」としました。 進言とは「上位の者に意見を申し述べること。具申」(大辞林)。しもじも感がこう、またひしひしと………。 …

草案:第6条5項:天皇はお忙しい

天皇の国事行為についてまとめた草案の6条、最後の5項は新設条項です。 公的な場へのお出ましも明文化。 何に出て何に出ないか。どこに天皇や皇后がいらして、どこに他の皇族が天皇の代わりにいらっしゃるのか。 水面下でのそういう熾烈な戦いがありそうで…

第7条:天皇のお仕事0

これは現行憲法の「天皇の国事行為」。 草案では第6条2項に移動しました。 「儀式のための権威」は、日本では天皇陛下じゃないとつけられないんですね。外交官や政治家何百人ものお力があるのでしょうけれど、だからこそここまで規定しないといけないのか……

草案:第7条:天皇がお仕事をできない時(長期)

草案では、摂政についての規定を7条に移しました。 これは現行では5条だったもの。 さて、変更箇所はどこかというと…… 一文を2つに分けて、2項立てにしたんですね。 2項中の草案5条はこちら。 6条4項はこれです。

第8条:皇室の財産は私財ではない

皇室の財産について考えたことは、これまでの人生の中でたぶん15分くらいあるように思いますが、憲法で規定されているのですね。 いっさい自由にならない財産……。平民てなんて気楽なんだろう。 草案ではどうなっているのでしょう。 おや、大きな変更がある。…

第9条:現行憲法のスター「戦争の放棄」

さて、9条です。 現行憲法では、第2章はこの9条のみ。章タイトルは「戦争の放棄」です。 いろいろな法律によって、すっかり骨抜きにされてしまったのではないか、という感も否めない9条ですが、あるとないとでは抑止力が全然違うと思うんですよね。 第2…

草案:第9条の2:耳慣れない「国防軍」

草案9条の2では、新しく「国防軍」を規定しました。 戦後生まれの身としては、「軍」という言葉は嫌だけれど、「自衛隊」という名前は欺瞞なのかしら。そうなのかも。 持っている兵力を持っていないと言って、解釈・解釈でずるずる広げていくよりも、自衛…

草案:第9条の3:領土問題は難しくて……

草案2章の3つめは「領土の保全」。 地図を見ていると、国境って決まっているような気持ちについなってしまうけれど、まだまだ詰め切れていないところがたくさんあるんですね。 主語は「国は」なんですね。「国民」は国と協力する存在なのか……。 ちょっと変…

第10条:「国民」ってだれ?

国民の権利と義務について書かれた3章は「国民の要件」から始まります。 「国民てだれのことですか?」 あ。肩透かし。 では自民の草案ではどうでしょうか。 あまり変わらないですね。 どこが変わったのでしょう。 ・タイトルをつけた ・文語的な言い方をや…

第11条:基本的人権は“妨げられない”のがいい

基本的人権ということをまじめに考えたことはそれほどないのですが、100年前の日本にはそんな考え方は一般的ではなかったんだと思うと、やっぱりいい時代だと思います。今、空気のように私たちは「基本的人権」に包まれている。その根拠法がこの11条なんです…

第12条:憲法は私たちがメンテする

この12条は、写していていちばん好きだった条文です。 いいですよね。 ほったらかしたり濫用したりすると、憲法といえども磨耗してくるから、自分たちでメンテナンスしないといけないですよ、と。 そういう意味では、改憲の動きというのは悪いことではないの…

第13条:個人 vs. 人?

「私は私でいい」という、ざっくりとぬるく暖かく私たちを取り巻いている空気を保障しているのが、この条文のように思いました。 個人の命と自由と幸福追求は、最大限に尊重される。ただし、「公共の福祉」に反しない限りでね。あ、制限がついていたのか。「…

第14条:みんな平等

これもまた、空気のように私たちを包んでいる自由を保障した条文のように思います。 これはもちろん「結果の平等」を保障するものではないでしょうけれど、「生まれながらにして平等」という考えは大事だなあ、と思います。「生まれながらの格差」というのは…

第15条:投票の心がまえ

これは、議員の選定などについて書かれた条文です。 「公務員」というのはこの場合、「議員」 と読み替えるのだそうです。日本という大きな共同体を動かしていくにあたって、代表を選ぶ際の「主権者」の心がまえが書いてあるみたい。 「前文」の「日本国民は…

第16条:投票以外の政治参加 「請願」

「請願」ってあまり聞きなれないですが、そういう権利が憲法に明記されているのだそうです。 「請願」とは、明鏡国語辞典によれば、 1:自分の希望がかなうように願い出ること。 2:国民が国または地方公共団体に対して文書で希望を申し出ること。 ふーん…

第17条:公務員が不法行為をしたら……

公務員が不法行為をして損害が発生したとき、誰がそれを賠償するのかというと…… 国とか、地方公共団体なのですね。 この「法律の定めるところにより」の法律は、国家賠償法なのだそうです。 賠償というのは多くは金銭的なものになると思うけれど、それが税金…

第18条:「奴隷的」とは穏やかじゃない

ちょっとギョッとする言葉が出てきました。 2文目はわかります。犯罪者の処罰の懲役のことですよね。 しかし1文目の「奴隷的拘束」というのは、穏やかならぬ言いようです。 知っているようで知らない「奴隷」の定義。コトバンクではこんなふう。 あ、そう…