写・憲法やってみた

日本国憲法と自民党改定草案を写してみました。違うところも一つずつ見てみました。

第3章 国民の権利及び義務

第10条:「国民」ってだれ?

国民の権利と義務について書かれた3章は「国民の要件」から始まります。 「国民てだれのことですか?」 あ。肩透かし。 では自民の草案ではどうでしょうか。 あまり変わらないですね。 どこが変わったのでしょう。 ・タイトルをつけた ・文語的な言い方をや…

第11条:基本的人権は“妨げられない”のがいい

基本的人権ということをまじめに考えたことはそれほどないのですが、100年前の日本にはそんな考え方は一般的ではなかったんだと思うと、やっぱりいい時代だと思います。今、空気のように私たちは「基本的人権」に包まれている。その根拠法がこの11条なんです…

第12条:憲法は私たちがメンテする

この12条は、写していていちばん好きだった条文です。 いいですよね。 ほったらかしたり濫用したりすると、憲法といえども磨耗してくるから、自分たちでメンテナンスしないといけないですよ、と。 そういう意味では、改憲の動きというのは悪いことではないの…

第13条:個人 vs. 人?

「私は私でいい」という、ざっくりとぬるく暖かく私たちを取り巻いている空気を保障しているのが、この条文のように思いました。 個人の命と自由と幸福追求は、最大限に尊重される。ただし、「公共の福祉」に反しない限りでね。あ、制限がついていたのか。「…

第14条:みんな平等

これもまた、空気のように私たちを包んでいる自由を保障した条文のように思います。 これはもちろん「結果の平等」を保障するものではないでしょうけれど、「生まれながらにして平等」という考えは大事だなあ、と思います。「生まれながらの格差」というのは…

第15条:投票の心がまえ

これは、議員の選定などについて書かれた条文です。 「公務員」というのはこの場合、「議員」 と読み替えるのだそうです。日本という大きな共同体を動かしていくにあたって、代表を選ぶ際の「主権者」の心がまえが書いてあるみたい。 「前文」の「日本国民は…

第16条:投票以外の政治参加 「請願」

「請願」ってあまり聞きなれないですが、そういう権利が憲法に明記されているのだそうです。 「請願」とは、明鏡国語辞典によれば、 1:自分の希望がかなうように願い出ること。 2:国民が国または地方公共団体に対して文書で希望を申し出ること。 ふーん…

第17条:公務員が不法行為をしたら……

公務員が不法行為をして損害が発生したとき、誰がそれを賠償するのかというと…… 国とか、地方公共団体なのですね。 この「法律の定めるところにより」の法律は、国家賠償法なのだそうです。 賠償というのは多くは金銭的なものになると思うけれど、それが税金…

第18条:「奴隷的」とは穏やかじゃない

ちょっとギョッとする言葉が出てきました。 2文目はわかります。犯罪者の処罰の懲役のことですよね。 しかし1文目の「奴隷的拘束」というのは、穏やかならぬ言いようです。 知っているようで知らない「奴隷」の定義。コトバンクではこんなふう。 あ、そう…

第19条:何を考えてもいい

あまりにも当たり前、とつい思ってしまいますが、ちょっと前に、思想や良心が自由じゃない時代があったのでした。 こんなことを書き散らせるのも、この19条が保障しているからなんですね。 「思想の自由」はわかりますが、「良心の自由」ってなんでしょう。…

草案:第19条の2:個人情報の保護はどこまで?

自民党の草案では、19条の2が新設されました。 ん? 19条は「思想と良心の自由」について書かれた条文でしたが、それとの関連がわからない。ここでいいのでしょうか。 これって、憲法に書くようなことなのかなあ。「不当に……してはならない」ということは、…

第20条:何を信じてもいいし、何も信じなくてもいい

特定の信仰は持っていませんが、なんとなーく自然崇拝の血が流れているのを感じます。神社でもお寺でも教会でもなんでも手を合わせる昨今です。 これも私たち世代には当たり前のことですが、たとえば江戸時代のキリスト教弾圧というのは、日本で思うよりよほ…

第21条:「表現の自由」の砦

19条は思想と良心の自由を保障していました。 そして21条は表現の自由を保障しています。 この権利が保障されない時代は、そんなに前じゃなかったのですね。 言葉をちょっと付け加えるだけで、容易に意味が反転しそうな、シンプルかつ美しい条文です。 草案…

草案:第21条の2:ちょっと意味不明な新設条項

なんだか不思議な新設条項がぽっかりできていました。 これはどういうこと? 「国民の権利と義務」を定めた第3章に、なぜ「国」の責務が入っているのでしょう。 しかもこの「国」とは何のことを指しているのかな。「国政」というからには行政府たる内閣でし…

第22条:どこで何をするかも自由

ずいぶんたくさんの自由が、この条項で保障されています。 どこに住んでもいいし、どこに引っ越してもいいし、どんな仕事をしてもいいですよ。 (「公共の福祉」に反しなければ)。外国に住んでもいいし、国籍を変えるのもOK! これも空気みたいに、当然のよ…

第23条:何を学ぶかも自由

「女に学問なんか必要ない!」という家や地域が今でもあることを最近聞いて、ショックを受けています。 シンプルですが心強い一条です。 草案は、というと…… さらにシンプルに(笑)。 英文和訳で、目的語が不足してるみたいな短文になりました。 「これを」…

第24条:結婚は二人が主役……でなく?

最近は結婚事情がだいぶ変わってきました。事実婚とか同性婚とか別姓婚とか、この後どのような法律的扱いになるのか、ちょっと気になるところです。 現行憲法は結婚についてはこんなふうです。 結婚は平等で対等な当事者の問題です。しっかりおやんなさい。…

第25条:健康で文化的な生活

かなりふんわりした、大きな網のような条文のように思います。 これはこのところよく問題となる貧困などに直結してくる条文ですね。生活保護の根拠法もこれのようです。「健康で文化的な“最低限度”の生活」。 「最低限度」とはどのくらいのことなのか、時代…

草案:第25条の2:今だからこそ、の環境権

本当に新設されたら大紛糾を呼びそうな、草案新設条項です。 公害病をくりかえしてきた過去を考えると、これはとても大事なことだと思います。 でもこれはきっと、原発は? リニアモーターカーは? という話につながりますね。 経済発展も環境も、あれもこれ…

草案:第25条の3:どこにいても、日本人を守って

これは心からお願いしたい、草案新設条項です。 頼みます。 ほんとに。 今この時も。 この条文がなくても。 緊急事態条項がなくても。

草案:第25条の4:特別な人権は必要かな

25条は自民党の草案では「25条の4」まで増えました。 これは、犯罪被害者とその家族は、特別な扱いを受けるということでしょうか。 憲法に明記することかしら。 加害者の家族の処遇も十分配慮されなくてはいけないと、最近の過剰な報道を見ると思えます。 …

第26条:義務教育の「義務」は親の義務

「義務教育」という言葉が決まり文句のように使われますが、その根拠法がこの条文なんですね。 教育を受けるのは「権利」。 保護する子女(一般的には“うちの子”でしょう)に教育を受けさせるのが「義務」。 この義務は「親に課されたもの」なんですね。 い…

第27条:勤労は、権利でも義務でもある

26条の「教育を受けさせる義務」に続いて、国民の3つの義務のうちの一つです。 「勤労」は義務でもあり、権利でもあるんですね。 この条文、思いのほか難しいな。わかるようでわからない「勤労」。 例えば、『広辞苑』にはこんなふうに書いてあります。 1…

第28条:団結する権利

労働組合の根拠法はこれなんですね。 最近はあまり、「強い労働組合」という話を聞かなくなりましたが、昔は強かったみたいですね。今では「スト」というのも海外の話題くらいでしか聞かなくなりました。 だからといって、なくしていいものではありませんよ…

第29条:私のものは私のもの

「断捨離」という言葉がすっかり市民権を得た今でも、いろいろ捨てられなくて一向に片づきません。でも勝手に捨てられたくないし……。 そうそう、「私のものは私のもの」よね!と頷く1項です。 でも2項と3項が難しい。 両方とも「財産権」とは無制限ではな…

第30条:思うに税金とは……

26条の「教育を受けさせる義務」、27条の「勤労の義務」に続く、「憲法が定めた国民の3つの義務」のうちの一つ、「納税の義務」の登場です。 いたってシンプルです。 ここでいう「法律」とはこんなようなものだそうです。 法人税法 所得税法 相続税法 印紙…

第31条:たとえば罪を犯してしまったら……

この31条から40条までは、罪を犯した人の扱いを細かく定めているようです。 野放しにするわけにはいかないけれど、人権を制限するには細心の注意を払わなければいけないのですね。 「生命若しくは自由を奪われ」というところ、背筋がぞくっとします。 こうい…

第32条:裁判を受ける権利

裁判というのは、私にとって身近なものではありません。 裁判員になる可能性はゼロではないとして、できれば被告にならない人生を送りたいと思います。 でも、万一そういう立場になった時、だれかに恣意的に裁かれるのは嫌ですから、こういう条文がビシッと…

第33条:逮捕のお作法

裁判もですが、逮捕もされたくないものです。 現行法下で犯罪者になる予定はありませんので、私を犯罪者にする法律ができないことを祈ります。 基本的に逮捕とは、犯罪を明記してある、司法官憲(裁判官)が発行した令状がないとできないのですね。例外は現…

第34条:逮捕された後の権利

人権というのはよくよく考えられているものだと思います。 『かさをささないシランさん』という絵本を思い出しました。 あれは怖かったな。 不当な逮捕や拘禁がされないように、幾重にも憲法は定めているのですね。 草案はこうしました。 2項に分けたのはす…